断章89

 とにかく大変だった。

 呻(ウメ)くほどの激痛だった。大腸憩室炎である。2週間の入院・点滴(うち1週間は絶食)だった。生還したので、なお暫らく頑張るつもりである。

 この大腸憩室炎は、朝鮮(韓国)両班朱子学の“呪い”だと思う。

 

 「朱子学李氏朝鮮において、呪いとなった。朱子学は、周学、程学、張学、理学、新儒学とか、宋学など、いろいろな名によって呼ばれるが、明朝で全盛期を迎えた。朱子学はまったくの理論学であったために、その解釈をめぐって争点をつくりだして、党争を悪化させた。

 李朝は五百年の長い年月にわたって、宮廷を囲む少数の両班と宦官たちが、党派抗争に耽けるかたわら、国民を極貧のどん底まで追い込んだ。李朝初期においては、党争の主体が四色党派<サセクタンパ>として知られた。これは老少東西の四つのグループだった。はじめは東人と西人に分かれて対立したが、西人派の威勢が高まるなかで、老壮派と少壮派に分裂した。そして東人派も、北人と南人に分かれ、時とともに無数の党派に増殖した。

 これらの党派が政権を奪おうとして、競った。儒学派の対立、王室の内紛などが複雑に絡み合い、士禍(サフア)と党争が激化した。東西南北、老少といっても、地域や年齢を指したものではない。士禍の『士』は、士大夫を指している。

 このような党派抗争は、相手を陥れるために、わざと非生産的な反対意見を掲げて攻撃した。そして、本宗家である中国のつまらない例が規準になり、法にもなった。反対意見をもつ他党の党人を苛めて、一族全員を皆殺し(ジェノサイド)にして、玩(もてあそ)んだ。一族は六族までを含んだから、六等親にまで及んだ」(出所不詳)。

 ウソウソ。老化と運動不足のせいである。

 

 さて以下は、11月14日付け韓国紙の抜粋・再構成である。

 「日本軍による慰安婦被害者11人と遺族らが1人当たり慰謝料2億ウォン(約1900万円)の支払いを求め、日本政府を相手取り韓国の裁判所に起こした損害賠償訴訟。提訴から3年たち、審理が始まった」。

 「訴訟を進行すれば、勝訴は確実だ。慰安婦動員の不法性は1993年の日本政府の『河野談話』で確認された」。

 「民法上の訴訟で賠償を受けることができる期間である消滅時効は最長10年だ。しかし、大法院は徴用工判決で『消滅時効が経過した』との日本企業の主張を『被害者はこれまで権利を行使できると考えられない状況だった』という理由で退けた。主権免除も認めず、消滅時効まで排除すれば、理論的には3・1運動、創氏改名など日本が韓国人に対して犯したあらゆる行為に対し、賠償を請求できるというのが法曹界の見解だ。」

 「3・1運動、関東大地震当時の虐殺行為、穀物・鉱産物の収奪、創氏改名など日帝の不法・強制的行為の大半について、被害者とその子孫が日本政府を相手取り訴訟を起こせば、勝訴する可能性がある」。

 昨年末の韓国大法院判決の“破壊力”については、これまでも書いてきた。その波紋が広がりつつあるのだ。

 

 『困った隣人 韓国の急所』での井沢元彦発言から引用する。

 「日本の政治家に言いたいのは、苦しまぎれに『河野談話』を発表するようなことはしないことです。河野洋平なんていう政治家は、私は最低の政治家だと思っています。ひとつは日韓問題で、相手があまりにも文句を言ってくるので、何とか和らげようという意図から従軍慰安婦に対して『河野談話』を発表してしまいました。そのことで、日本は韓国女性を強制的に慰安婦にしたという韓国の主張を認めた形になってしまった。本人は後に、認めれば関係が和らぐと思ったとか言っていますが、そんなはずはないのであって、つけこまれるだけですよね。(中略)

 政治家というのは結果責任だから、これだけでも重要な罪です」。