断章264

 さらなる危機に備えよう。なぜなら・・・

 「米ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると、新型コロナウイルスによる新規死者数は12日に世界で1万7195人と、過去最多になった。13日時点で、アメリカの累計死者数は38万人を超えている。

 米疾病対策センター(CDC)は、累計死者数が1月末までに最大で43万8000人に増える可能性があると予測する」(2021/01/14 日本経済新聞)。

 「新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の1月11日午後3時の時点で、世界全体で9027万9044人と9000万人を超えました。また、亡くなった人は193万4784人となっています」(2021/01/11 NHKニュース)。

 

 そして、「6,400人を超える犠牲者を出した阪神・淡路大震災(1995年)の前、『関西には大地震は来ない』という迷信があった。神戸や大阪は地震を周期的に起こす活断層に囲まれているにもかかわらず、その事実が一般市民にはほとんど伝わっていなかったのだ。実は、阪神・淡路大震災を契機として、日本列島の内陸では直下型地震が増えている。これも地球科学が予測していることだが、西日本で内陸地震が増え続けたピーク付近で、南海トラフ巨大地震が起きるのだ。日本はどこにいても地震からは逃れられず、『揺れる大地』で生き延びる方策を常に考えなければならない」(『座右の古典』 鎌田 浩毅)。

 気象庁は、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を定期的に評価するため、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催している。幸いなことに、1月8日現在、「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。

 しかし、南海トラフ沿いの大規模地震(M8~M9クラス)は、『平常時』においても今後30年以内に発生する確率が70~80%であり、昭和東南海地震昭和南地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態」(気象庁)であることに変わりはない。

 

 あるいは、金融市場のバブルの破裂も危ぶまれる。

 「今回の“救済”の結果、単年での財政赤字幅拡大は民主党左派サンダース候補が予定していた2兆ドルを上回る。大統領選まではトランプ政権も民主党も選挙に勝とうと『救済の手』を緩めないはずだが、最後、市場原理は等しく襲い掛かる。『自国通貨建ての国債は好きなだけ発行できる』などといったMMT(現代金融理論)は、机上の空論でしかない。

 『返すつもりがない債券』発行の繰り返しは、必ず、とりかえしのつかない債券の暴落を招く。ただし今は、国家が救済を優先することを、誰も止められない」(2020/04/09 滝澤 伯文・東洋経済)。

 「長年にわたる欧州や日本の超緩和的金融政策が生み出した大量のマイナス利回り債券によってゆがめられた市場で、投資家は最終的に大惨事に見舞われるだろう」「私が言っているのは、これだけの紙幣を印刷し、バランスシートに何兆ドルもの証券を積み上げていれば、ある時点で何かが壊れるということだ。近い将来にそうなるとは言わないが、そうなった時に債券投資家(メインプレイヤーのひとつは、日本の金融機関である!)が被る損失は壊滅的なものとなるだろう」(JPモルガンAM、ウィリアム・アイゲン)。

 

 さらに、粛々と進行する少子高齢化・人口減少。

 「人口減少に関する日々の変化というのは、極めてわずか。ゆえに人々を無関心にする。だが、それこそがこの問題の真の危機、『静かなる有事』である」。