断章278

 女性アイドルグループとして、AKB48、日向坂46、櫻坂46がある。それぞれ異なっているが、秋元康がプロデュースしている。

 “国家”も良く似ている。

 政治体制として、全体主義国家(たとえば中国)、新自由主義国家(たとえばアメリカ)、福祉国家(たとえばスウェーデン、ついでに日本)、寡頭専制国家(たとえばロシア)、神政国家(たとえばイラン)、マフィア国家や失敗国家もある。

 それら各国の経済的土台は、党君臨資本主義(中国)、金融・ハイテク資本主義(アメリカ)、介入規制資本主義(スウェーデン)、オリガルヒ資本主義(ロシア)、バザール資本主義(イラン)だったりと、それぞれ異なっているが、すべて“資本”がプロデュースしている。

 

 “資本”は、やり手で切れ者であるから、モテモテである。気にくわないからと玄関から追い出しても、いつの間にか勝手口から入って来て、リビングのソファーに主人顔で座っているのである。

 中国もそうだった。中国共産党は、銃口で権力を手に入れた後、しぶとく抵抗したけれども、結局、国民を食わせるために、「改革開放」を唱えて“資本”を受け入れたのである。そのおかげで、急速な経済発展(キャッチアップ)を実現できた。問題は、これからである。全体主義支配がもたらす疾患とともに、発展拡大した“資本”がもたらす疾患にも、ベトナムなどのキャッチアップにも悩まされるだろう。

 

 「中国共産党という組織が一見、社会主義につきまとう教条主義的な特性を持ち合わせているように見える反面、権力の維持という点において時に無節操とも呼べるほど柔軟に時代の変化に適合するという体質を示してきた。

 そもそも、社会主義社会の価値観を排し資本家を党に招き入れた江沢民の決断がそうであれば、再び不満を溜め込んだボリュームゾーンへの配慮から、『贅沢禁止令』を出して徹底した官僚狩りを断行したことも同様である。

 政治のニーズに合わせて経済発展に貢献するものを社会全体で称揚する時代から、今度は一気に発展から取り残された大衆を国の中心に据えて、彼らを慰撫する……。その変幻自在ぶりこそが、中国共産党支配が続いているひとつの特徴でもあるのだ。

 彼らが変化に敏感なのは、彼ら自身がきちんと危機感を持つことができているからにほかならない。前提となっているのは中国という大国には常に難題が山積し、この国をまとめてゆくことがそもそも容易ではないことを彼らがよく知っていて、また、かつ大衆を恐れているからである」(申し訳ないが筆者を忘れた)。

 

 「中国の人事社会保障省が2月8日に公表した統計によると、2020年に登録された出生数は前年より3割以上減少し、1004万人だった。出生数の減少は4年連続で、『一人っ子政策』撤廃がベビーブームにつながっていないことが示された。男女別内訳は男子が52.7%、女子が47.3%だった。

 中国は1970年代後半に人口抑制策の『一人っ子政策』を導入したが、急速な少子高齢化を背景に16年に撤廃、子どもを2人まで認める『二人っ子政策』に転換した。人口統計学者は、『二人っ子政策』の効果が表れるまでには15年かかる可能性もあると指摘している。一方、60歳以上の高齢者数は25年までに3億人を超えるとみられている」(2021/02/09 AFPBB News)。

 日本も大変だが、中国も大変なのである。