断章259

 「自由とは個人及び少数派の権利である。自由とは、その定義からして、必然的に個人ないし少数派が他と異なる行動をとることを禁じられることのない権利である。自由ならざる社会においては、他と異なるものは犯罪者である」(P・ドラッカー)。

 

 日本の自称「知識人」たちは、中国の真実から目をそむける、或いは無視する。現代中国を理解する核心は、それが中国共産党の“紅い全体主義”の支配下にあるということである。

 

 コロナ禍「事態の初期に若い医師がウイルスの深刻性を警告したが、中国政府はでたらめだと見なしてしまった。共産党一党独裁の危険性がすべて出たものだ。そして今、中国は新型コロナウイルス感染拡大を鎮圧したとして『大成功だ』『習近平国家主席の業績だ』と大きく宣伝している。中国の文化大革命時を思い起こさせる。中国政府とメディアは真実を伝えない。だから、国民は真実に基づいた理性的な判断ができない。これが中国の弱点だ」。

 中国では、「国民一人一人をリアルタイムで把握し、けん制することが可能だと明らかになった。つまり、歴史上のバイオコントロール(生物学的制御)、バイオサーベイランス(生物学的監視)が初めて可能な国が現れたのだ。このような全国民監視体制が可能な国は中国しかない」(船橋 洋一)。

 

 「中国・武漢市で新型コロナウイルスの感染流行について報じた、市民ジャーナリストで元弁護士の張展氏(37)が28日、裁判で懲役4年の実刑判決を言い渡された。

 上海の裁判所は、張氏が『口論を引き起こし、トラブルを招いた』として、公共秩序騒乱の罪で有罪と判断した。この罪状は活動家に対してよく使われる。

 張氏は5月に拘束された。現在まで数カ月間にわたってハンガーストライキを続けている。弁護士によると、張氏の健康状態は精神面も含め悪いという。判決が言い渡されると、『落ち込んだ様子を見せた』という(引用者注:当然であろう。この程度の情報発信で懲役4年だというのだ)。

 武漢市の状況を伝えて当局に問題とされた市民ジャーナリストは数人おり、張氏はその1人。中国には自由に発信できるメディアは存在しない。当局は活動家や告発者を、政府の感染対策を損なう存在だとして、弾圧することで知られている」(2020/12/29 BBCニュース)。