2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

断章42

昔日、マルクスを読んだキ真面目な青年たちは、みんな、たちまちマルクスの学徒となった。なぜなら、“マルクスの理論は、唯一の、科学的かつ本質的な革命理論である”と思ったからである。 「共産主義運動のように、高度の道徳原則をもち、献身的で、聡明な闘…

断章41

1985年頃の北朝鮮事情について、『闇からの谺』(崔 銀姫・申 相玉)は書いている。 「北朝鮮の為政者たちは、人民が現在の自分たちの生活に満足しそれを幸福だと感じるように、苦しかった日帝植民地時代を強調して教育する。確かに現在は日帝時代よりはまし…

断章40

中国と朝鮮は、中ソ対立、中国文化大革命、ベトナム戦争中のニクソン大統領の中国訪問、核開発、張 成沢の処刑などで何かとギクシャクしてきたが、現在、共にアメリカの強い圧迫を受けているためなのか、中国共産党総書記・中国国家主席である習近平(シー・…

断章39

中国についての長いメモ 「中国の新疆ウイグル自治区は、・・・何百万人ものイスラム教徒のウイグル民族にとって故郷だ。人権団体は、何十万人もが裁判を経ずに複数の収容所に拘束されていると指摘する。一方で中国政府は、入所者たちは“自発的”に『過激思想…

断章38

香港でミソをつけたようだが、中国本土の支配は安泰のようにみえる。 国際ジャーナリストの高橋氏は、「憲法改正により、習近平による独裁体制を強化しており、個人の発言、言論の自由を締めつけている。その一方、市民は『自由ではない』ことに慣れているた…

断章37

「このところ中国の外交官と知識人は『トランプの任期さえうまく乗り越え、米国との戦争さえないなら時間は中国の味方』という話を流す。中国は毛沢東時代の自力更正スローガンまで叫んで長期戦に備える態勢だ。習近平は米国に対抗してロシアと組み、『中国…

断章36

「大廈(タイカ)の倒れんとするは一木の支うるところにあらず」 巨龍・中国も、倒れるときには倒れる(中国共産党がどうあがいても)。 しかし、ここ10年ほど巷間にあふれた“中国崩壊論”のようには、事態は進んでいない。 なぜなら、エドワード・ルトワック…

断章35

「死せる孔明生ける仲達を走らす」 そして、「死せる魯迅が生ける近平を走らす」日は来るか。 『林彪事件と習近平』(古谷 浩一)を読んだ。 「もし、今も魯迅が生きていたなら、何を思うだろうか。中国の友人にそんな話をすると、過去に同じような質問を、…

断章34

「インターネット百科事典“ウィキペディア”を運営する米国の非営利組織、ウィキメディア財団は5月18日までに、中国で全面的にウィキペディアの利用ができなくなったと発表した。これまでも日本語や中国語は利用できなかったが、海外の中国語メディアなどによ…

断章33

なかなか攻めた書名である。『貧者を喰らう国』(中国格差社会からの警告)という。 帯のキャッチコピーも刺激的で、「第一章、エイズ村の慟哭・・拝金主義の売血ビジネスが招いた悲劇。第二章、荒廃する農村・・利己主義と猜疑心が支配する農村共同体。第三…

断章32

人口動態や家族構造など社会の深層の動きに着目し、ソ連崩壊、リーマン・ショック、アラブの春、ユーロ危機、トランプ当選、英国EU離脱など数々の“予言”を的中させてきたフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、「エリートの自己満足」を批判したが…