2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

断章299

亡母の実家のとっくに80歳を過ぎた叔父が、今もなお、米を送ってくれる。ありがたいことである。なので、米はある。だから、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、そしてキャベツがあればよい。一日目は安い牛切り落とし肉を加えてカレーにし、二日目は余ったウ…

断章298

「インテル。入ってる?」。パソコンの普及期には、このCMをよく見たものだ。 インテルの伝説的な経営者アンドリュー・グローブは、こう言った。 「パラノイア(病的なまでの心配症)だけが生き残る。これは、私のモットーである。 事業の成功の陰には、必ず…

断章297

桐一葉落ちて天下の秋を知る ―― 落葉の早い青桐の葉が一枚落ちるのを見て秋の訪れを察するように、わずかな前兆を見て、その後に起こるであろう大事をいち早く察知することをいう。 アメリカの巨大企業は、ついに「地政学的」な発想での巨額投資に舵を切った…

断章296

「政治は結果がすべて」と、日本の保守政治家は言う。この見解は、わからないでもない。というのは、「共産主義者の使命は、民衆に奉仕することである」と宣伝していた毛 沢東やポル・ポトによる政治の結果を見てみれば・・・。 それにしても、「新聞の1面ト…

断章295

「ジョー・バイデン米大統領(78歳)は17日放送のインタビューで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は『殺人者』であるとの認識を示し、米選挙介入を試みた『代償を払うことになる』と述べた。ロシア政府はこれを受け、駐米大使を本国に召還。米ロ関係…

断章294

中国共産党は、紅色全体主義として、(今のところ)成功の絶頂期にあるように見える。 なので、「これはほとんど報じられないが、香港の自治と自由を求める国際社会とはちがって、中国のひとびとは共産党の香港政策を圧倒的に支持している。中国の経済成長に…

断章293

中国は、紅色帝国主義としての本領を発揮しつつある。 ブータンを圧迫し、インドを挑発し、つい先日は、「先月、中国人民解放軍海軍の警備艦が西海(黄海)で活動していたが、今回はとうとう東経124度を越えて東側に入ってきた。東経124度は中国が自分たちの…

断章292

龍虎相食む帝国主義の時代に、植民地・後進国に突き落されまいと、明治維新を成し遂げた日本は、近代化・現代化に向かって突進した。突き動かしたものは国家・民族存亡の“危機意識”であり、発展の土台となったものは庶民の“勤勉革命”だった。 ―― 「勤勉革命…

断章291

“資本”こそが、最強の王である。コロナ禍があろうと、米中対立があろうと、“資本”の世界制覇、すなわちグローバリズムは進んで行く。なぜなら、後進国の貧しい民衆の、「先進国の生活水準に追いついて、より豊かな暮らしがしたい」という願いを叶えることが…

断章290

「コロナ禍の中、厳しい状況に置かれる人が増加しています。 警視庁の統計によれば、2020年10月の自殺者数は全国で2153人にのぼり、これは過去5年間で最も多い水準です。私が支援しているNPOやNGOの方々からは、『8月頃から若者の自殺が増えており、特に中高…

断章289

青鬼はふんどしを持っているだけ、まだましである。Aが子どもだった頃の実家は、赤貧洗うが如し(せきひんあらうがごとし)の極貧生活だった。空腹に耐えかねて、神社のお賽銭を盗んでパンを買ったことがある ―― この世には神も仏もいないことは、いまだに…

断章288

「知識階級は、彼らの高い文化こそが人類の最大の業績と最も深遠な古来の知恵、そして最も進んだ近代科学の知識を代表していると信じている。また、これらが人類の福祉と健康に役立ち、それゆえに彼らはこれに応じてより大きな報酬を与えられてしかるべきで…

断章287

「予想はウソヨ、予測はクソヨ」のとおりになった。 わたしは予想した。すなわち、2020年3月の株価崩落後の株価上昇は、デット・キャット・バウンス(すなわち「死んだ猫」でも高いところから落とせば地面に当たって跳ね返る。急激な下落相場で、取り立てて…

断章286

近現代の国家・企業・個人は、〈市場原理〉すなわち、より安くより良い製品・サービスを提供する競争から逃れることはできない。産業革命から生まれた産業社会は、絶えざるイノベーションを運命づけられている。 例えば、18世紀の無機化学工業の発達から、さ…

断章285

成功した人間は(国家、政党も)、周囲が見えなくなり、歴史の教訓を忘れがちである。 ヒトラーは、ナポレオンのロシア遠征の教訓を忘れた。アメリカは、アレキサンダー大王や大英帝国のアフガニスタン侵攻の教訓を忘れた。太閤秀吉は、白村江の戦いの教訓を…

断章284

「日本共産党は、2020年1月28日、第28回党大会で党綱領を改訂した。党綱領改定は実に16年ぶりの出来事であった。この中で、従来日本共産党は中国を『社会主義をめざす新しい探究が開始された国』としていたがこの部分を削除し、『いくつかの大国で強まってい…