2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

断章555

「『何をなすべきか?』(レーニン)は、20世紀の政治的古典である。 『何をなすべきか?』については、地下政党を運営していく技術を詳しく実際的に書いた青写真を提出したものという大きな誤解がある」と、ロバート・サーヴィスは言った。 『何をなすべき…

断章554

プーチンの私兵とみなされていたロシア民間軍事会社ワグネル(プリゴジン)は、飼い主の手を噛んだ。 結果は、今のところ、大山鳴動するも噴火せずプッスンと一発、に終わったようである。 「ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏…

断章553

事態は、急展開中である。 ワグネルの総帥、エフゲニー・プリゴジンは、「安心してください、正義の行進ですよ!」(とにかく明るい安村風に)と言った。 「ワグネルの部隊は24日未明、ウクライナから国境を越えてロシア南西部ロストフ・ナ・ドヌに入った。…

断章552

「わだは革命家になる」(棟方 志功風に)と、レーニンは決意した。ツァーリ専制権力の打倒を誓う“鬼”になった。 レーニンは、19世紀末のロシア帝国という歴史的社会的文脈のなかで、マルクス主義を“革命の理論”としてつかみとる。 レーニンは、おのれの軌跡…

断章551

19世紀のロシアでは、あまたの人びとが、ツァーリ専制権力との戦いに生涯を捧げた。戦いの記憶と記録は、受け継がれる。 レーニンは、やがてロシア経済の工業化にともなう労働者運動の活発化などを踏まえて、(「人民主義」ではなく)マルクス主義に立脚する…

断章550

「復讐するは我にあり!」 「1887年3月12日(当時のロシア暦では2月28日)、ロシア・ロマノフ王朝の皇帝・アレクサンドル3世の暗殺計画が発覚、首謀者らが捕えられた。(中略) 先帝を暗殺したのは『人民の意志』派という組織で、当然ながら徹底的に弾圧され…

断章549

専制と「土地と自由」(ナロードニキ)の、殺るか殺られるかの対決はつづいた。 もともとロシア帝国(専制ロマノフ朝)の弾圧・拷問は酷(ひど)かった。 「1866年には、被疑者に、一週間も睡眠を与えないという不眠の拷問が行われている。これは、肉体的な…

断章548

「『人民のなかへ』の運動は失敗した。農民は立ちあがらなかった。学生たちはこの大実験から学ぶべく反省をはじめた」(松田 道雄)。 たとえば、「チャイコフスキー団」の盛衰に、運動の経過を見てみよう。 「1869年、マルク・ナタンソン、オリガ・ナタンソ…

断章547

「革命のためには何でもやる(何でもあり)」というネチャーエフには、また後年会うことになろう。さしあたり、ネチャーエフ事件は、青年・学生のあいだに、秘密の陰謀的な活動に対する疑問、ためらいを生じさせた。 「このときピョートル・L・ラブロフの『…