2021-01-01から1年間の記事一覧

断章324

ヒト(人間)が《際限のない欲望》をもつにいたったのは、それを多くもっていた者ほど生き残ることができ、より多くの子孫を残すことができたからである。《際限のない欲望》が焚きつけるモチベーション(人が何かをする際の動機づけや目的意識)が、大いに…

断章323

「ヒトのなかに際限のない欲望(引用者注:マズローによれば、生理的欲求にはじまり、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求、さらには自己超越欲求にいたる5段階があるという。しかも、各々に異なる質と量がある)が目覚めたとき、彼らはそれらの欲…

断章322

現代「世界の中でもとりわけ豊かな国の人々は、彼らの曽祖父母には想像すらできなかったような物質的豊かさを享受している。政府統計によって『貧困』のレッテルを貼られた人々でさえ、抗生物質、信頼できる避妊法、CDプレーヤー、インターネットへのアクセ…

断章321

人間の際限のない欲望(その知識欲や一番乗りの名誉欲)は、神の領域 ―― かつて生命を操作することは神をも恐れぬ行いと言われた ―― にまで迫りつつある。 つい最近も・・・。 「科学技術が新たなヒトの生命をつくり出す。その段階がすぐそこまで来ているこ…

断章320

『暴力の人類史』でスティーヴン・ピンカーは言う。 ヒトは、「苦しみの数を下げる方法を見つけてもきた。そして人類のますます多くの割合が、平和に生きて、自然な原因で死ねるようにもなってきた。私たちの人生にどれほどの苦難があろうとも、そしてこの世…

断章319

ヒトは、際限のない欲望に取り憑(つ)かれる動物である。食欲、性欲、権力欲、名誉欲、収集欲、知識欲、金銭欲、エトセトラ、エトセトラ。 ヒトは、遺伝と文化の相互作用・共進によって進化(変化?)してきたという。では、その進化とは、どれほどのものな…

断章318

サルの尻は赤い。この真っ赤で目立つ尻は、発情期を表す性的アピールとしての役割をもっている。四足歩行のサルのオスの強さや元気さは、目線の高さにある尻に現わされ、最も赤い尻こそエネルギッシュで元気な証拠として、オス同士の争いでも優位に立ちやす…

断章317

「人間とチンパンジーは、共通の祖先から進化したものの、その祖先たちがどのような見かけだったのかは、はっきりとわかっていない。化石による記録は、共通の古代の祖父母たちは、今日の人間よりもチンパンジーの姿にずっと近かったことを強く示している」…

断章316

わたしたち人間とは何者なのか、どのようにして現在にたどり着いたのか? 「人間と近縁の類人猿との共通点を考えるとき、なんといっても比較がいちばん簡単なのはチンパンジーのオスと人間の男性だ。チンパンジーのオスは集団で狩りをし、政治的ライバルに対…

断章315

「近ごろでは、ヒトと類人猿の近縁関係はしだいに受け容れられてきている。たしかに、人間が自らを特異な存在とする主張が出尽くすことはけっしてないだろうが、そうした独自性の主張で10年以上もつものはめったにない。ここ数千年の技術の進歩に幻惑される…

断章314

「家族の起源」「社会の起源」「攻撃性と葛藤解決」「文化の起源」などは、まずサルに聞けである。 「ヒトに最も近い類人猿には、シンボルを理解し操作する能力があり、ヒトと同じ水準でないにしても類似の思考能力がある。(中略) 言語は、情報を共有すべ…

断章313

さる14日、「丹波の山ザル」が死んだ。 「世界的な霊長類学者で、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長、京都大名誉教授の河合雅雄氏が14日午前、老衰のため丹波篠山市の自宅で死去した。97歳。丹波篠山市出身。故・今西錦司氏の門下で生態学と人類学を専攻し、…

断章312

孫 正義は、ばくち打ちになった。本人自ら、そう認めている。 ソフトバンクグループ(SBG)は、アメリカのアップルに次ぐ世界第2位の巨額利益を得た。だが目下のところ、マーケットの答えは、ソフトバンクグループの株価“急落”である。 「ソフトバンクグルー…

断章311

二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)。 欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえ。「中国の故事か何かに由来していそうだが、実は古代ギリシア起源で欧州に広く分布することわざと…

断章310

「もし自由社会が、貧しい多数の人々を助けることができなければ、富める少数の人々も守ることができないだろう」(ジョン・F・ケネディ)。 「コロナ緊急事態宣言が延長され対象地域も拡大されることで、新たに約1兆円の経済損失が生じるという試算が明らか…

断章309

戦前の日本は、欧米からの圧力に対抗し、民族・国家を守り、前進し、生き延びるために欧米に追いつくことに必死だった。アジアの大国になったが、代償は軍国主義だった。明治から大正、昭和へと続いた成功に酔い、夜郎自大になった日本のエスタブリッシュメ…

断章308

「日本の国家的危機と危機対応の姿は、戦後の『国の形』が国家的危機に取り組むには極めて“不具合”にできており、また、私たちの社会があまりにも無防備であるという厳然たる事実を示している」。 2013年3月に新潮社から出版された『日本最悪のシナリオ 9つ…

断章307

事の真相が知りたい。これはデマに踊らされたデタラメなのか? 4月29日付けの韓国紙・中央日報によれば、「韓国のムン・ジェイン大統領を批判するビラを散布した30代男性が侮辱罪で検察に送検されたことが伝えられると、野党が文大統領の批判に出た。刑法上…

断章306

「歴史は繰り返さない。歴史は韻を踏むのだ」という。しかし、「人類は歴史の教訓を決して学ばない」(E・トッド)らしい。なので、歴史は韻を踏むだけでなく、繰り返しもするのである。太古の昔から。太古とは? 「人間が引き起こす身の毛もよだつ大量殺戮…

断章305

「予想はウソヨ、予測はクソヨ」。 また言ってしまった。「バカのひとつ覚え」に違いない。では、「予言」は? エマニュエル・トッドは、近著『パンデミック以後』(朝日新書)の裏表紙で、「1951年、フランス生まれ。歴史家、文化人類学者、人口学者。家族…

断章304

この世の真実は、平時ではなく有事の際に明らかになる。 コロナ禍の始まりにおいて、マスクの生産が完全に中国頼みだったことが明らかになった。続いて、ワクチン製造において、欧米頼みであることが明らかになった。どこにも“備え”がなかったのである。 各…

断章303

戦争は発明の母、という。戦争のために開発された新技術が民生転用されて広範に利用されるようになった物は、星の数ほどある。例えば、あなたが「チンしてください」とお願いする電子レンジの原理も、「軍事用レーダー」の実験で偶然見つかったことから始ま…

断章302

「住宅ローンの返済に窮する人が増えている。金融機関から返済猶予などの救済を受けた人は5万人を超え、東日本大震災の際の5倍に達した。新型コロナウイルスの影響で収入減が広がっているためだ。一方、新規ローンの融資額は伸び続け、一部の住宅価格はバブ…

断章301

「にわかに信じがたいかもしれないが、私たちは人類史上最も平和な時代に生きている。日々世界で起きる紛争・殺戮の報道を尻目に、じつは暴力は日に日に減っているのだ」(スティーブン・ピンカー)。 また、「停滞している。貧しくなった」と言われつつも、…

断章300

視界は、まるで黄砂におおわれているように、コロナで不良である。 「新型コロナウイルス禍で中小の飲食・宿泊業の資金繰りが悪化している。銀行の口座情報から資金の流れを調べたところ、収入が不動産賃料などの支出より少ない支出超過の飲食・宿泊業は1月…

断章299

亡母の実家のとっくに80歳を過ぎた叔父が、今もなお、米を送ってくれる。ありがたいことである。なので、米はある。だから、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、そしてキャベツがあればよい。一日目は安い牛切り落とし肉を加えてカレーにし、二日目は余ったウ…

断章298

「インテル。入ってる?」。パソコンの普及期には、このCMをよく見たものだ。 インテルの伝説的な経営者アンドリュー・グローブは、こう言った。 「パラノイア(病的なまでの心配症)だけが生き残る。これは、私のモットーである。 事業の成功の陰には、必ず…

断章297

桐一葉落ちて天下の秋を知る ―― 落葉の早い青桐の葉が一枚落ちるのを見て秋の訪れを察するように、わずかな前兆を見て、その後に起こるであろう大事をいち早く察知することをいう。 アメリカの巨大企業は、ついに「地政学的」な発想での巨額投資に舵を切った…

断章296

「政治は結果がすべて」と、日本の保守政治家は言う。この見解は、わからないでもない。というのは、「共産主義者の使命は、民衆に奉仕することである」と宣伝していた毛 沢東やポル・ポトによる政治の結果を見てみれば・・・。 それにしても、「新聞の1面ト…

断章295

「ジョー・バイデン米大統領(78歳)は17日放送のインタビューで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は『殺人者』であるとの認識を示し、米選挙介入を試みた『代償を払うことになる』と述べた。ロシア政府はこれを受け、駐米大使を本国に召還。米ロ関係…